せもっちの空手と筋トレブログ

主に空手についての考え方、練習、鍛錬などといったことや、筋トレについてなど書いていこうと思いますm(_ _)m押忍!

伝統空手における【組手】と【形】の違いと鞭身(ムチミ)の用法

         ・伝統空手における【組手】と【形】の違い・

            鞭身(ムチミ)の用法について

 

こんにちは、こんばんは、今回は伝統空手における【組手】と【形】の違い、といったテーマで自分なりに考えていることなどを書いていこうと思いますので、よろしくお願いいたします<(_ _)>押忍!

 

まず組手ですが、これはとにもかくにも、相手に早く攻撃(手、もしくは足)が到達する必要があります。

と言うことでとにもかくにもスピードが必要であり、最も重要な要素と言えます。

 

スピードが重要である、と言うことにおいては、形もまったく同じです、形は自分に対して攻撃を行ってきている者、自分に殺意ある行動を行ってきている者に対する行動であり、どんなにパワーにすぐれていても、ナイフで刺されてしまってはおしまいなので、技術であったり、スピードなどは非常に重要な要素となります。

 

本来の形の解釈を考えると、沖縄などで今も使われている【サイ】であったり、【棒】であったり、【トンファー】などといった武器を持って行うのが本来のかたちである、といった考え方もあるようです。

 

そのように、形と言う鍛錬は、必ずしも【素手vs素手】といったことが大前提となっているとは限らないとも言えます。

 

空手と言うものは本来【空手に先手なし】と言う言葉があるように。

こちらから攻撃をしかけるものではないのですが、昨今の組手といった競技となりますと、どうしてもやはりお互いの実力を試すための、あくまで力ためしといったものが元となっており、それにはやはり、どちらかが先に攻撃を仕掛ける必要があります。

 

形で鍛錬した動作である、突きであったり、蹴りなどを主体とした、受け、捌き、払い、体捌き、崩しのような動作や、倒しにつながるような動作、さらには鞭身(ムチミ)のような動作を、実際の戦いをシミュレートした、組手といった、対人練習を行うことにより、より正確な技のタイミングなどを習得することを目的として発達したものです。

 

ですので、攻撃においては、どうしてもお互いに見合った状態は好まれません。

お互いに見合って、どちらも動かないような状態には、指導と言う形で、注意されることになってしまいます。

 

どちらもポイントが入ることがなく、判定のような形になった場合も、よりがんばって攻撃をたくさん行ったほうを、有利としているようです。

 

実際には、審判などはいなく、安全な防具のようなものは一切なしの状態で、戦いと言うものは行われるわけですから、より攻撃をたくさん行ったほうが、実践においては、より相手にたくさんのダメージを【与えていたであろう】と判断する、と言うことは正しいことだと、わたしも思います。

 

そのように、組手といった【競技】においては、どうしても、空手でよく言われる【空手に先手なし】といったことは通用しません。

それは、伝統空手だけにとどまらず、フルコンタクト空手や、防具空手、硬式空手であったり、ボクシング、キックボクシングなど、あらゆる格闘技において、どうしても先手を取ることが有利であることがあります。

 

戦いにおいて、ただ受けに回っているだけでは、必ず負けてしまいますので、攻撃は必ず必要になってきます。

 

では、【形】はどうだろうか?

と言うことを考えて参ります。

 

形において、昨今よく見られる【鞭身(ムチミ)】と言われる、喜友名選手などが多様される、トップ選手の方々が行われている【ムチミ】ですが、あの動作はどうでしょうか?

 

ああいった動作は、組手選手においては実はまったくもって、必要のないことではないかと、わたしは思います。

 

組手において、動作を【起こす】と言うことは、もう、動作が【起った瞬間】に、すでにもう相手に攻撃が到達していることが、なによりも理想だからです。

 

なので、腰を先に入れて。

といったような動作をしているよりも、とにもかくにも、手や足を真っ先に動かすほうが圧倒的に有利となります。

キックボクシングなどのように、筋肉を徹底的に鍛えた人たちのボディなどに効かせるためには、しっかりと腰のひねりをいれた打ち方が必要になると思いますが、伝統空手における組手では、実際の相手のダメージと言うものは存在しないので、あくまで審判側の主観になりますので、素晴らしくしっかりと肩や腰が入り、しっかりと引手もとっているような動きが理想になりますが、腰を先に入れて、しっかりと足腰からの威力が手に乗っているのか?

といったことは、あまり重要視されていない可能性もあるかもしれません。

それは、腰が回っている状態で突いているから、足や腰からの威力が、しっかりと手に乗っているとは限らないからです。

 

ただ、形式的に、腰をひねらないと、ポイントにならないから腰をひねっています。

といったようなスタイルの方も、わりとたくさんいるのではないかと思います。

 

では、形でしっかりと軸足からの力を腰に乗せ、股関節からの力を背骨や体幹の力に乗せ、肩甲骨、肘、手首、拳、といったように地面からの力を拳に乗せていく動作は、いったいなぜなのか?

といったことですが。

 

それは、やはり本来の空手の格言のためなんですね。

 

【空手に先手なし】

 

と言うことが、空手の最も重要な考えです。

つまり、一方的な暴力は何がなんでも行ってはいけない。

 

そういった教えですね。

 

それを実践するための鍛錬が【形】なのです。

 

いわゆる【ムチミ】と言われる動作ですが、これは地面に接した、足の裏からの力を拳に伝えていく打ち方ですが。

どうしても、組手のように手や足から、まっさきに動作しているものと比べるとタイムロスがあります。

 

これは、どうしたら良いのか?

 

といったことなんですが、これはじつは、最初に地面からの力が上に伸びて伝わっていくタイミングでは、まだ引手は動いてないわけですが。

引手ではないほうの手は、もう動いているのです。

 

つまり、組手とまったく同じタイミングで、引手ではないほうの手。

すなわち【受け手】のほうの動作は、真っ先に行われているわけです。

 

相手の手が動いた瞬間、すでにもう、こちらの【受け手】はしっかりと反応することができます。

しかし、まだ【引手(攻撃する手)】は腰に引き、力をたくわえた状態のままです。

 

そして、その受け手の力も利用して、【引手】の力をより強く、弓を弾き絞った状態から遠くの的(まと)を打つように、相手の攻撃を捌いた瞬間に、ガッチリとムチミにより、地面からの力が、まるで竜のようにうねり、拳へと乗せられ、相手へと打ち込まれるのです。

 

それこそが、本来の空手。

 

空手に先手なし、とはそのことを指しています。

 

初心の方で勘違いをしてしまいがちなのは、これです。

「腰をひねってる時間の分、遅くなるんじゃないの?」

といったことなんですが。

 

たしかに、組手やボクシングなどの場面では、不利と言えるかもしれませんが。

空手においては、とにもかくにも、防御を大切にします。

形においても、突きよりも受けの動作のほうが多いのにお気づきでしょうか。

 

それこそが、空手に先手なし、が今でも継承されている証拠となります。

 

とにもかくにも、絶対にこちらから攻撃はしない。

それが空手です。

どうしても、相手との抗争となってしまい、相手がとうとう手を出してきてしまった。

そんな時の対処のために、空手道は存在しているのです。

それが本来の空手道だとわたしは思う次第です。

 

もう一つ、初心の方が勘違いするポイントとして。

 

「受けてから攻撃するなら、先に攻撃した方が早いでしょ?」

 

といったことです。

 

それは、やはり概念の違いもあります。

空手家は、先に手を出してはいけない、それが基本となります。

それは、おそらく、中国から伝わってきた時に継承されたものだと思います。

攻撃とは、相手の何かを奪うことになります。

相手の資金であったり、土地であったり、資源であったり、自由であったり、生命であったり。

いろいろ、相手から何かを奪うこととなり、結局はその憎しみは自分へと帰ってくることになるのです。

恨みや憎しみは、必ず巡りめぐって、自分の身へと帰ってくるのです。

そのことを、空手を日本へと伝えた先人の方は、言いたかったのだと思います。

 

ただ、今はスポーツや競技としての格闘技としての側面もありますので、そういった場では、どんどん先制攻撃を行うべきだと、わたしも思います。

スポーツや、競技となりますと、やはりそこは、区別していくべきだと思います。

しかし、勝っても負けても、お互いに握手ができるような、そのような形態であるべきだと思います。

 

・実際の用法として

 

相手の攻撃を、ムチミの初期の動作によって受けた時点で、すでにもう攻撃に入っていることです。

ただ、手がまだ出ていないだけ。

ただ、攻撃するための手が発射されてないだけ。

 

そのような考え方になります。

 

まわし受けで考えると簡単です。

最初のまわしていく手で受けます、その時、手と一緒に腰も入っていると思います。

そのあとに、すぐにもう一方の手が来ると思います。

それは、相手の攻撃を2回受けるためではないのです。

2回目の動作は、攻撃になります。

 

それか、もしくは、2回目の動作は【受け返し】です。

1回目の動作で、相手の攻撃をいなし、くずし、即座に相手の攻撃してきた手を、受け取ってしまう動作が、【受け返し】になります。

 

その受け返しですが、なにも受け返して、相手を動けない状態にしなくてもその手で叩いてしまうのも、良い方法だと思います。

 

そのような動作が【ムチミ】で使われる動作になります。

 

もちろん、受け返しで、相手を動けなくしたところに、ムチミによる地面からの力をしっかりと拳に乗せて、相手に叩き込む。

といった技術も素晴らしいと思います。

 

・まとめのようなお話しとして

 

組手では、やはり先制攻撃を行うことが正しいと思います。

それには、手や足から動いていくような動作が、結局のところ正解であるように思います。

ただ、相手の徹底的に鍛え上げた腹部などに、ガッチリと効かせるような打ち方をしたい場合は、いわゆる【手打ち】といったように、手だけが走っているような打ち方では、まったく効かない打ち方になってしまいます。

 

形においては、相手の攻撃に対して、同じように真っ先に受けてと同時に、腰を入れ、体軸のひねりや、肩甲骨、肘などのスナップのようなものを駆使し、ムチミの動作を使った攻撃を行うことができるのが、素晴らしい形の使い手である。

そのように、わたしは思います。

 

そして、先ほど、相手の攻撃を受けている時、引手はまだ出ていない、といった書き方をしまたけれども。

実際のところはもう、こちらの地面からの力で体軸が動くと同時に、前手の手で相手の攻撃を受けた瞬間に、もうムチミの動作は完了しており、相手の攻撃を前手で捌いた瞬間にはもうすでに、こちらの攻撃は決まっているのが理想です。

タイミングとしては、交差法【カウンター】とほぼ同じです。

 

鞭身の起こりの動作により、前手を動かしていきながら相手の攻撃を捌き、捌いた瞬間にはもう、こちらの攻撃は決まっているのが理想です。

捌いたあとに間が空いていると、相手の二発目の攻撃を瞬時に受けてしまいますので、その、一瞬で繰り出される相手のワンツーのような、二段階、三段階の連続攻撃の、一発目でもう、同時に当ててしまう。

一発目を落とすと同時に、もう、相手に鞭身による絶対的強打を打ち込んでいる。

その鍛錬が、空手の形の鍛錬。

と言うことになります。

 

では、いささか長くなりましたので、今回もこのあたりで失礼しようと思います。

今回は【伝統空手における、組手と形の違い】といったテーマで考えてみました。

 

それでは、失礼いたします<(_ _)>押忍!

 

(*´ω`*)ノ✨鍛錬がんばりましょうか!✨