・伝統派空手【形競技】における筋トレ【ウェイトトレーニング】の有効性!
※やや辛口です※
こんにちは、こんばんは、せもっちです(。-`ω-)押忍っ!
みなさん、空手道や武芸武術、格闘技やスポーツなど、頑張っておられますでしょうか。
かなり暑いですが、がんばりましょう!
今回は、伝統派空手における、筋トレの有効性について、考えを改めたものですので、そういったことを書いていこうと思っております。
・考えを改めた部分について
わたくし、今まではあまり、伝統派空手においては、あまり筋量を増やしてしまうような筋トレ[※ウェイトトレーニング等]は、自分でもあまり行わないほうが良いと考えておりましたが。
現在では、伝統派空手においても、筋トレ(ウェイトトレーニング等)は非常に有効である。
と言うように考えております。
今まで、伝統派空手において、筋トレ、限定すると、筋肥大を優先したようなトレーニングは、行うべきではない、といったような考えでしたが。
最近では変化が訪れました。
やはり、伝統派空手においても、筋肥大を起こすほどの、高重量のフリーウェイトなどを扱うようなウェイトトレーニングも、非常に有効である、と言うように考えています。
間違ってはいけないのは、あくまでボディビルディング的になってしまってはいけない、と言うことです。
体をデカくすることが、主目的になってしまってはいけない、と言うことです。
しかし、デカくしても良い体の部分もあると最近では考えています。
まず、デカくしてはいけない部分は、末端にあたる部分です。
腕ばかり太くするようなトレーニングは、体軸が弱いのに、末端ばかり太くしてしまいますと、木で考えますと、木の幹は細いのに、枝ばかり太くても、弱い木の幹は、太すぎる枝を支えることができません。
体で例えると、腕は木の枝であり、体軸は、木の幹にあたります。
木の幹を鍛えて、強くしていくことで、末端である枝、手などをしっかりとコントロールすることができます。
何年もかけてウェイトトレーニングを行うことは、今では伝統派空手においても有効だと考えていますが、腕などの木の枝にあたるような部分ばかりを太くしてしまうと、スピードは間違いなく下がることになり、腕に振り回されるような動きになってしまいます。
昨今の伝統派空手における形の試合においても、世界規模の大会においてはとくに、筋力が強いような選手が多いようにわたしは思っております。
わたしの伝統派空手における、最も尊敬する形選手の一人として、喜友名諒選手がおられますが。
喜友名選手の、筋力トレーニングなどの動画なども拝見してみますと、おわかり頂けると思います。
このように、まるで体操選手のように体を自由自在に、肩関節やいろいろな体の筋力を強化することで、こういったトレーニングもされているようです。
こういった、自重を吊り輪で持ち上げるといったことは、ある程度の筋力があり、体重が50kgなどの軽い体重ですと、反動をつけるなどすれば、できるかもしれませんが。
喜友名選手は、見てもわかるとおり、まったく反動をつける、といったことはせずにまるで一流の体操選手に近いレベルで、自分の体をまったく反動をつけることなく持ち上げています。
これは、かなりとてつもない筋力が必要となる動作です。
吊り輪を掴んでいる、喜友名選手の腕なども見てもわかるとおり、従来の伝統派空手の選手の限界を超えているように思います。
動画のほうは、基本的に最初の5秒も見て頂けますと、わたしの言わんとしていることがわかると思いますので、少しでも見て頂けますと嬉しいですね。
見て頂けるとおわかりになると思いますが。
喜友名選手の表情を見て頂きたいです。
なんと・・・吊り輪と言う非常にきつく、苦しいトレーニングを行っているのに。
体を持ち上げた時、すごい笑顔をされているんですね。
これは・・・強いわ・・・と、わたくし、思いました。
喜友名選手は、1日に6時間以上練習されるそうですが。
そのような、筋トレなどもたくさん行っているのだと思われますが。
この、楽しげな表情。
みなさんは、この言われをご存じでしょうか。
「子曰く、これを知る者は、これを好む者に如かず、これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」
と言うのがありますが、まさに、こういったことですよ。
意味はご存じのとおりです。
それを知っている者は、それを好きである者には敵わないよ。
だが、それを好きである者でも、それを楽しんでいる者には、敵わないよ。
といった格言ですね。
喜友名選手は、まさに、空手やトレーニングを楽しんでおられる。
日々のつらく、ハードな練習も、自分が成長する喜びに変えておられる。
それが、喜友名選手の強さの秘訣でしょう。
喜友名選手の世界大会の決勝の動画なんですが。
こちらを見て頂けますと、よくわかると思います。
FINAL Zigi Zaresta (INA) Vs Ryo Kyuna (JPN) - 16th AKF Karate Championship
おそらく、雲手を演武されておりますので、松濤館の流派だと思われます。
素晴らしい形ですが、今までの形のイメージとはかなり違っているように、わたしは思いました。
どのように違うか?
それはもう、力強さです。
今まではこういった力強さよりも、形のうまさ、するどさ、そしてなによりもかによりも、1にも2にも【スピード】が重要だったように思います。
スピードがなによりも大事であると言うことは、結局のところ。
重量級の選手と、軽量級の選手とでは、どちらが有利であるか?
それはもう考えるまでもないですね。
プロボクシングの試合を見てもわかりますが、体重の階級が下がるほど、パンチなどの打撃力は落ちますが、はたから見ても、スピードは目に見えないほどに早いですね。
手足を速く動かす、と言うことにおいては、体重は軽いほうが有利です。
しかし、このたびの世界大会を見てもわかるように。
喜友名選手も、相手のインドネシアの選手も、かなりの筋肉量を感じます。
この、決勝戦までの対戦相手などは、よくわからないままに書いているんですが。
従来のように、とてつもなくスピードが速いような選手とは、たくさん決勝に上がるまでに当たってきたと思うんです。
しかし、このように非常にパワフルな形を行うインドネシアの選手や、体形やパワーが充実した、なによりも力強い形を行うことのできる、喜友名選手が決勝戦に勝ちあがる、と言うことは、今までのようにスピードが、なによりも重要である。
といったような部分が、変わってきているのではないか。
そのように、わたし個人としては感じております。
・スポーツとして考えた場合
まずは反対の観点から言いますと、どうしても、空手はスポーツではなく武道・武術なんだ!
となりますと、ウェイトトレーニングは、西洋のボクシングなどの格闘技、グローブをつけての格闘技のため、そんなイメージが出てきてしまいます。
しかし、空手もオリンピックなどにもなり、スポーツとしての側面がかなり大きくなってきました。
その場合、どんなスポーツも、ウェィトトレーニングをまったく行わないようなスポーツは、ほぼないと思います。
空手においても、従来からいわゆる簡単な、技術練習をさらに追い込むためのような。
【補強】
といわれる、腕立て伏せを、練習の最後に行う、腹筋や背筋を練習の最後に行う、などといったことはかなり昔から、伝統派空手においても行われてきたと思います。
しかし、そのようないわゆる【補強】といわれるトレーニグは、あくまで補強と言われるように、あくまで技術練習で疲労した体を、さらに運動能力を後押しするための補助、あくまで補助的なトレーニング、であったとわたしは思います。
しかし、本当にスポーツである。
と言うように考えた場合には、そのような【補強】といった程度のものでは、これからはダメではないだろうか?
そのように思い、このたび、ひさびさに書かせて頂いております。
たとえば、スピードがなによりも重要であるスポーツである。
陸上競技の花形である【100メートル】ですが。
今時、まったくウェイトトレーニングを行わない【100m選手】や、陸上選手はおそらくいないと思います。
マラソンなどの競技はまた違ってくると思いますが、単純に、限られた時間内でよりスピードを発揮しなくてはいけないような競技においては、おそらくほぼ100%、ウェイトトレーニングは行われていると思います。
それほどまでに、陸上競技などにおいても、格闘技においても、最も重要なトレーニングの一つである【筋力トレーニング】を、練習の最後の追い込みとして【補強】といった形で行われるのは、今の時代においては、もうダメなんじゃないだろうか?
とわたしは考えております。
これからはもう【補強】といった形での、あくまで体力を強化するためのメインは、練習であり、筋トレは【補助的なもの】といった考え方から脱却する必要があるのかもしれないな、といったことです。
100メートルの選手が早く走るためには、ただ走ることを繰り返すだけではだめです。
太ももの裏側のハムストリングス筋群や、大腰筋などのインナーマッスル、腹筋群や腕を力強く振るためのトレーニングも重要になってきます。
そのように、全ての体の部分は、骨と筋肉によって動いているわけですので、どうしても今よりもよりスピードを出すためには、ウェイトトレーニングは必要になります。
もちろん、よりハードに練習を行うことで、足腰はガクガクになるほどに疲労し、余計なウェイトトレーニングなどできない!
と言うくらいに疲れ果て、筋肉も追い込まれ、極度の疲労状態になると思います。
しかし、それは、筋肉が大きく成長することとはまったく違う経過になります。
筋肉を成長させるためには、適切なトレーニングが必要です。
長時間の筋肉の、極度な酷使は、マラソンと同じこととなり、むしろ筋力を低下させてしまうこともあります。
そのような、長時間筋肉を酷使するような練習を行う場合には、ウェイトトレーニング的な観点から考えますと、BCAAやプロテインなどのたんぱく質を補給しながら、練習を行うべきです。
長時間の筋肉の酷使は、貴重な筋肉を失ってしまうことになるからです。
長時間の継続的な運動は、血中の栄養素であるグリコーゲンなどを、あっと言う間に使い果たし、やがては体脂肪なども溶かして、血液中に巡り、栄養として使われます。
※それはダイエット的な観点からすると良いことなんですが。
血中のグリコーゲンなどの栄養素を使い果たしたあと、体脂肪などを溶かし、血中に回し、エネルギーとして使います、その時体脂肪は【遊離脂肪酸】といわれる状態となり、やっと栄養として使うことができるようになりますが。
その時、なんと、遊離脂肪酸と同じく、貴重な筋肉そのものも、体を激しく動かしている、貴重な貴重な筋肉そのものも、なんと、エネルギーとして使ってしまうのです。
それを防ぐためには、運動中にちまちまと、BCAAやたんぱく質などを摂取する必要がありますが、あまりそこまでされている方は少ないと思います。
そのようにちまちまと、栄養を補給することで、運動により筋肉を失うことを防ぐための栄養(プロテイン・BCAA等)を補給することを【ビルダー飲み】などとも言うそうですが、そういったことは、そのほかのスポーツでも有効です。
松濤館で言いますと、動画などで拝見したところ、在本選手なども、以前と比べますとものすごく筋肉量が増えたように感じました。
やはり松濤館の選手も、今はしっかり筋力トレーニングを行っているのだな。
と思いましたね。
・形における筋力の意味合い
本来、形での試合と言うものは、お互いに実際に戦った場合、どちらが強いのか?
と言うことが本来の意味合いであると思うのですね。
それが、いつのまにやら、形での試合では。
どちらがよりうまいのか?
どちらがより速いのか?
そういったことが、重要視されることなどもあったような感じがします。
しかし、実際に本当に、戦ってみた場合どうでしょうか。
体重が50kgの選手と、まるでマイクタイソンのような重量級の人とでは、条件がかなり違ってくると思います。
マイクタイソンのような人は、単純なスピードで言いますと、どうしても50kgの人に負けてしまいますが。
本当に戦った場合はどうでしょうか。
もちろん、ヘタである場合、お話しになりませんが。
形と言う競技のうえでの話ですので、あくまで競技なので、ヘタである場合は仕方ないですね。
しかし、ほぼ同等である場合。
より普通に殴り合いをした場合、完全に勝っているほうが負けてしまうと言うことは、なんだか、おかしいのではないか?
そのように思ったりもします。
世界大会などでは、外国の審判の方々が審判を行うことが多いですが。
わたしが考えるところによりますと。
日本と言う国では。
どうしても昔から、武道といったものは、
小よく大を制す
といった言葉のように、小さいものが、自分よりも大きいものに勝つところに武道性がある。
といったように考えられているように思います。
わたしもある意味賛成ではあります。
自分よりも小さいものに勝つために、武道を練習する必要はないからです。
自分よりも大きく、力も強いものに勝つために、武道を練習するわけです。
しかし、実際にはなかなかそうはいきません。
こちらはわたしの大好きな漫画である、バキですが。
合気道の渋川剛気先生が、でかい相手を簡単に崩して動くこともできなくしてしまうシーンですが。
これが実際にできたら、本当にすごいと思います。
みんな、これができるようになりたいから、東洋の武術・武道を修行するのだと思います。
小さい人が、簡単に自分よりも大きい人を倒してしまう。
これほどカッコイイことはありませんね。
まさに、武術の本懐、といったところだと思います。
しかし、実際に空手道において、これができるような人はどのくらいいるのか?
といったところ、なかなか難しいと思います。
小さく大を制す
これが、修行によって本当に誰もができるなら、ウェイトトレーニングは本来必要ないのかもしれませんが。
しかし、それにしても。
柔道などを見てみますと、昔はあったそうですが。
今はもう、大型の海外の選手がやはり強く、小さい選手が、大きい選手に勝つ。
そういった感動的なことは、少なくなっているように思います。
やはり、筋力が強く、体が大きい。
それは、クマのなどの野生の世界においても、絶対的な強さの証明であり、ボクシングなどにおいても、ほぼ3キロごとに体重を細かく制限しており、ほんの数グラムでも体重がオーバーしていたら、失格となってしまうほどに、体重が重たいと言うことは有利である。
とされています。
空手の組手においても、現在では体重が分けられている場合が多いと思います。
フルコンタクト空手の世界などでは、昔で言いますと、わたしの大好きな【緑健児】先生のように、75キロ以下の中量級でありながら、体重無制限の大会で優勝してしまったといったような、英雄の方もいますが、最近ではそういった素晴らしいお話しは、めっきり聴くことも、見ることもなくなってしまったように思います。
マイクタイソンは、180センチの身長で、190センチ以上が普通であるボクシングのヘビー級の世界でほぼ無敗の強さでしたので、非常に感動的です。
そういったところに、技術の面白さであったり、神秘性などを感じるわけですが。
いずれにせよ。
やはり、体の大きいものが勝つと、やはりどうしても。
「やっぱり、でかい方が勝ったか・・・」
といったように思うと思います。
そして。
小さいほうが勝つと
「おおっ!!小さいほがでかい方に勝ったぞっ!!すげえっ!!」
となります。
そんな、小よく大を制す、のところに武術、格闘技の神秘性、面白さ。
そういったものが、たくさん隠されている、そのようにわたしは思っています。
しかしやはり、どうしても、本能的に大きいほうが勝つだろう?
と言う考えがあると思います。
それは、大きいほうが有利であることを、本能的に感じているからです。
ボクシングの試合で、50kgのチャンピオンと、100kgのチャンピオンとで戦う場合、可能性としては、100kgのチャンピオンが勝つ可能性が高いのではないか?
それは、誰もが認めることだと思います。
わたしもそう思います。
おそらく、100kgのチャンピオンの前に、50kgのチャンピオンの人は、圧倒的な力の差を見せられ、負けてしまうのではないでしょうか。
もちろん、やってみないとわからないです。
100%ではありません。
しかし、可能性として、100kgのチャンピオンのほうが有利である、と言うことについては、多くの方が賛成ではないのかな、と思います。
そのように、やはり、ガッチリと鍛錬し、鍛え、練習してきた選手同士であるなら。
筋力や体重がある方が有利である。
そのように、あまり東洋の武術の神秘性よりも、現実をなによりも重視している、リアルを考える外国の審判である場合。
やはり、体重や筋力がある方が、戦った場合勝つだろう。
そのように判断するからではないかな。
世界大会などで、筋力が強い大型の選手が活躍するようになってきたのは。
外国の審判の方々が、形競技を、形そのもののスピードやうまさ、だけでなく。
実際に、形などを通して戦った場合の、戦闘力の強さを見ているとした場合。
大型の選手が有利になるように思います。
といったところですかね。
もちろん、形そのものの技術がお互いに拮抗するくらいでないとだめですね。
形がヘタであるのに、パワーが強いから勝つ、となりますとこれはもう大間違いです。
やはり、形は素晴らしい技術を持っており、さらに筋力・パワーもすごいぞ!
と言うのが、理想的な武術家の姿ではないかと思います。
技術練習しかしていない人でも、かなり形が強い人はたくさんおられますが。
やはり、とっくみ合いになったら弱い。
腕相撲をしたら弱い。
パンチも軽い。
と言うよりも、形が早くてうまい!キレもすごい!
そして、筋肉も強い!パワーもすごい!
そういった選手のほうが、体は細いけれど、技術はすごいぞ。
といった選手よりも、なんだかすごいのではないかな、とわたしは思います。
・まとめのような段階に入ろうと思います<(_ _)>押忍!
やはり、そこそこ足腰が鍛えられておりますと、しっかり足や腰が使えていると、手足も運足も、早く動けますけれども。
どうしても、それ以上の筋力トレーニングなどを行っておりません場合には、格闘技競技の方々などと比べますと、どうしてもなんだか、力強さで負けてしまうように感じてしまうことがあります。
やはり、形選手の動きを一般の方々が見た場合に
「こりゃあ・・・・すげえパワーとスピードだなぁ・・・!」
と感嘆してしまうような。
そんな形を、お若い方々はとくに、目指してみると面白いのではないかな、とわたしは最近になって思っております。
喜友名選手の体を見てますと、なんだかもう、空手の道着が筋肉でパンパンになっているのではないか?
と言うくらいの筋量をされておりますけれども。
そのくらいの迫力があっても、これからの空手は良いのではないかな。
そんなことを言いたく、このたびは書かせて頂きましたね。
体の細い選手が、早いばかりの形を行うのは、なんだか、飽きてしまったな・・・
そんなこともありますかね。
では、失礼いたしますぞい(。-`ω-)ノ押忍っ!!